飛翔(釧路湿原に捧ぐ)

フィリップ・キング作品とならび、道内にある野外彫刻の作品のなかでも、かなりの優品。
タンチョウの群れが飛翔しているさまをとらえており優雅で、しかも力強い。
制作には6か月を要した。
作者は淀井敏夫(1911~2005)。文化勲章の受章者である。彫刻の分野で文化勲章を得た人は、北村西望など数人しかいない。
また、二科展の彫刻の大家であった。二科の彫刻は抽象が多いが、そのなかで一貫して具象に取り組んでいた。1999~2001年には二科会理事長も務めている。
日外アソシエーツ社の建築家・彫刻家人名事典などによると、淀井敏夫さんは兵庫県朝来村(現朝来市)生まれ、東京美術学校彫刻科卒。
1952年「ローマの公園」で日本芸術院賞を受賞し、82年に日本芸術院会員。
粘土を使わずに心棒に直接石膏を直付けする手法を用いて、粗い質感と鋭い躍動感を持つ人体像や鳥などの動物像を制作。両者を組み合わせた物語性の強いシリーズもある。
54年、東京藝大講師、59年に助教授を経て、65年に教授となり、73年から美術学部長、78年退官。94年に文化功労者、2001年に文化勲章。

種類 美術品
大きさ H700cm W740cm D230cm
素材 燐青銅
原型作者 淀川 敏夫
設置場所 北海道釧路市 大規模運動公園
設置年度 1991年
作成期間 6ヶ月

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