銅像制作ポイント 05原型制作について

原型づくりの工程

ご本人の写真、あるいは肖像をご用意ください。前後左右に加え、斜め左、斜め右も可能であればご準備ください。故人の場合は、最も印象が似ている写真を複数枚ご準備ください。
ほとんどの場合、原型は粘土で制作します。原型制作の期間は、約1か月をいただいています。粘土原型の完成段階で、実際にお客様に見ていただき、修整・確認を行います。ここで承認をいただいたものが、そのままブロンズになりますので、納得いくまで修整することが大切です。妥協せず、修正箇所を明確に銅像・胸像作家にお伝えいただきます。

原型

※実費で撮影にうかがうことも可能です。

原型作家インタビュー

歖多敏勝

喜多敏勝(彫刻家)

昭和29年高岡市金屋町で生まれる。
彫塑家 米 治一氏に師事し彫塑技術を学ぶ。
高岡市展市長賞・富山県展入選・日展入選。

工房 富山県高岡市立野美鳥町2-41
TEL 0766-31-3368

制作における思い

何よりもクライアントの意向に沿うことが第一と考えております。
これまでに大型の作品からテーブルに載るような小型のものまで、人物像はもちろん、仏像の制作依頼も数多く請けてまいりました。
いずれにおいても特徴をよく掴み、イメージが忠実に体現された作品となるよう努めております。
慈愛や威厳、気品、格調、作品から醸される気風が見る者に率直に伝わるよう創意と工夫を凝らし、
現代彫刻、伝統美術、ジャンルを問わずクライアントに満足していただけるまで、妥協は許さぬ覚悟で制作に当たっております。
既に建立された作品を目の当たりにしたとき、依頼者の思いと制作した自らの思いが調和し、所縁の地を俯瞰して象徴する、
そんな彫像の雄姿が更なる制作意欲を湧かせ、今日までの作家活動を支えております。

田畑 功

田畑 功日展会員(審査員)

1955年富山に生まれる。
富山県立高岡工芸高校デザイン科卒業。
北陸日彫会賞受賞、西望賞受賞など様々な賞を受賞。
日展会員に推挙される。

原型制作にあたって

原型制作は、お客様から頂いた写真、人柄をお聞きし制作に入ります。これまで歴史上の人物、政治家、発明家、博士、タレント、スポーツ選手、競走馬、種牛等、会社創業者、施設創設者、実業家等の胸像、銅像を、千体余り制作してきました。
その経験を活かし、職人としてお客様に寄りそった仕事ができる事に勤めています。

田淵 吉信

田淵 吉信(彫刻家)

1953年岡山県に生まれる。
金沢美術工芸大学美術学科彫刻専攻を卒業。
富山県高岡市の銅器製造会社に入社。
仏像制作のため、仏教美術の源流を訪ねて渡印。
独立し富山県射水市小島にアトリエを構える。

銅像制作についての思い

先人・先代の偉業を記念して肖像彫刻に残すことは意義あることと思います。こうした銅像はゆかりの地に建立され長い年月、人々はその人を思い、また知り、語り継がれ大切にされることでしょう。
優れた肖像彫刻は、ただ似ているというだけでなく、その人物の人柄や精神まで伝わり、しかも彫刻作品として認められるものであります。
銅像作品は原型師・鋳師・彫金師・着色師などの技術を駆使し精魂こめて制作することによって完成するものです。
設置された銅像・胸像が見る人に先人の偉業を思い起こさせ、安らぎ・勇気を与えられる様なものを作りたいと思っています。

若々しく優しそうな表情にできる?

銅像の仕上がりを左右する最も重要な要素は、原型づくりです。胸像や銅像を精神性の高い芸術作品として制作する際は、彫刻家が原型づくりを行います。対象となられた方の生き方や信条を肖像に加えて作ります。精神性に永遠の命を吹き込み、本人より本人らしく表現し、気品溢れる美しい原型となります。『若々しく優しそうな表情』といったご要望にも、もちろんお応えできます。
原型づくりの段階でご確認いただき、ご納得いくまで修整を行います。

本人とそっくりにできる?

銅像づくりには、銅像専門の作家がいます。銅像専門の原型作家の場合は、資料に忠実な高い品質の原型を制作します。
比較的安価に依頼でき、似ていないというリスクもなく安心です。

原型の確認はできますか?

通常、12方向から撮影した写真データをお送りし、確認していただいております。必要に応じてさらに多方向からの撮影も行います。原型作家の工房にお越しいただける場合は、実物をご覧いただいて、ご要望をうかがうことも可能です。