両箇の月

「相承 大いなる足音がきこえますか」は御両尊大遠忌報恩法会の掲げる基本理念であります。それは法の相続すなわち師匠から弟子へ正しい仏の教えを伝え、途絶えることなく次の弟子たちへ伝えていくことです。釈尊から摩訶迦葉尊者に伝わった一滴の水とも称すべき正伝の仏法は、インド、中国と嫡々相承して大本山永平寺開祖 道元禅師に到り、當大本山開祖 瑩山禅師から全国へ脈々と流れ出でて多くの寺院が建立され、今日の蕩々たる大河となりました。
瑩山禅師(中央)には「四門人六兄弟」と称される弟子たちがおりましたが中でも、本山二祖 峨山禅師(右)及び明峰禅子(左)の両禅師は瑩山禅師門下の二大神足でありました。また瑩山禅師のもとで、峨山禅師は「両箇の月」で心地を開明され、明峰禅子は「皮膚脱落の話」で本分に安住されました。また瑩山禅師は両者を「峨山は麒麟の雲に点ずるに似たり、明峰は老馬の路を行くが如く」と賞しました。これは、傑出した禅機を振るう峨山禅師と、修行歴が長く熟練した明峰禅師を見事にとらえたお言葉です。
私たちは瑩山禅師のみ教えていただいて精進を重ね、確実に次の世代へ響かせていきたいものです。また一人でも多くの人が瑩山禅師のみ教えに接して日々の生活に生かし、こころ豊かな社会を築く原動力となることを願って止みません。

種類 肖像
大きさ H250cm W700cm D300cm
素材 青銅
原型作者 喜多俊勝
設置場所 神奈川県横浜市鶴見区 曹洞宗大本山總持寺
設置年度 2019年10月
作成期間 6ヶ月

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